田の中勇氏が亡くなられた。年明け早々、非常にショックなニュースだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100115-00000598-san-ent
アニメ『ゲゲゲの鬼太郎』第5作が物語途中で突然終了してしまったのが、昨年の3月。いずれシリーズが再開して続きが観られればいいなと思っていたが、もしそうなったとしても田の中さんの目玉親父の声を聴く事は出来なくなってしまった。第5作の最終話本編が目玉親父による妖怪四十七士「決定じゃ!」で終わっていただけに、もう新たな『鬼太郎』であの声を再び聴けないと思うと、本当に寂しい。
思い返せば、田の中さん演ずる目玉親父との出会いは、『ゲゲゲの鬼太郎』第2作の再放送だった。
その後、何年かして新番組として『ゲゲゲの鬼太郎』第3作が始まった。目玉親父は田の中さんのまま。当時は「目玉親父はこの声で当たり前だ」と思って観ており、キャストがほぼ総入れ替えとなった中で一人だけ変わらなかったのがどれほどすごい事か、わかっていなかった。
そして、大学生の時に『鬼太郎』第4作が放映された。この頃になると「目玉親父=田の中勇」が完全に頭に刷り込まれており、「鬼太郎の声は誰になるのだろう?」とは思ったが、目玉親父が他の人になるのではとは全く思いもしなかったし、実際に田の中さんが引き続き演じていた。
更には、もうさすがにご高齢だからもしや交替かと思った第5作でさえ、相変わらずの健在ぶりで声を聴かせて下さったし、同時期には『墓場鬼太郎』でも目玉親父役で出演されていた。並行して2つの番組で同じ役を演じるなど、空前絶後だろう。『鬼太郎』というビッグタイトルに加えて、完全に定着した田の中さんの声があってのこそ可能だった事だと思う。
私は『鬼太郎』が大好きなので、田の中さんの声と言うと目玉親父が第一に頭に浮かぶが、あの特徴的な声はどんなアニメでも聴いたらすぐに分かる。何十年にも渡って現役で活動されていたので、本当に様々な作品でその演技を楽しませていただいた。
たとえば、『ハクション大魔王』のカンちゃんのパパは目玉親父と対照的に「情けない父親」として印象的だったし、『鬼太郎』からの水木作品つながりで『悪魔くん』のヨナルデパズトーリも忘れちゃいけない。『鬼太郎』第5作では目玉親父とヨナルデの二役までこなす活躍ぶりだったから、まだまだお元気で新たな声を聴かせて下さるものだとばかり思っていた。
本当に、長い間ありがとうございました。心より、ご冥福をお祈りします。