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怪物くん 第60話「太平洋上の一匹モンスター」

 1月のアニメ新番組が大体出揃ったが、まだ第1話を観ていないものも何本かある。今週に入って、忙しくなってきた。そんな時は、かえって心に残る懐かしのアニメを観てしまう。本日は、シンエイ版「怪物くん」第60話、「太平洋上の一匹モンスター(前編)(後編)」が、ようやく放映された。個人的に「怪物くん」の中では、最終話と並んで最も印象深い回の一つだ。
 本作は、ほぼ全編が夜の海を舞台としており、それだけでもムードは満点。特に、ヒロシの視点で「海の大きさ」を語らせるシーンは印象深い。また、その海の真ん中にぽつんと浮かぶ島一つが、丸々怪物だという設定も、非常に不気味でいい。怪物と舞台設定からして、成功している作品だと言える。
 しかし、これらは原作(FFランド14巻に収録)にもある要素だ。このアニメ版を私の心に焼き付ける事となった最も印象深い場面は、何と言ってもラストシーンである。島怪物を倒して、酔っぱらってグラゴンの上で騒ぐ怪物くん一行…ここまでが原作のラストシーンだが、アニメ版ではその後がある。場面が変わって、一転して静かになり、聞こえてくるのは怪物くん達の歌う「椰子の実」の歌、そしてその歌とともに、島怪物の亡骸であり、新たな種でもある「実」が、どこかへと流れてゆく。この、叙情あふれるシーンで、本作は原作を越えたと思う。もちろん、原作あってこその作品である事は言うまでもないのだが。
 本作は、テレ朝チャンネルを観始めてから、ずっと楽しみにしてきた作品だったが、今年になって放映がいよいよ近づいてくると、本当に待ち遠しくて仕方がなかった。大昔に観た作品は、記憶の中で美化されていることが多いが、本作は、今回観返しても、やはり面白かった。こういった作品に再び巡り会うことができるのだから、CSさまさまだ。もちろん、地上波でやってくれれば、それに越したことはないが。
 ところで、今回の話で登場した半魚人の声は千葉繁、グラゴンは鈴木清信(だと思うが、EDで確認できないので、聞き間違えているかもしれない)。シンエイ「パーマン」より前にカバ夫とサブが海の怪物で共演していて、ちょっと面白かった。